鈍感王子にご注意を

けど...誠くんはきっと
また気づいていないんだ。

「あっ。もしかして恵美ちゃん...。」

「え...?」

もしかして気づいて...くれ...

「恵美ちゃん香水かえたね♪」

ってなかった...。

「うっうん。でも1週間前から
変えてたよ。」

私は苦笑いした。

「うそっ!?まぢで?でも気づく俺も
すごくね?やっぱ恵美ちゃんとこうして
ずっと一緒にいるから
すぐ気づいちゃうんだなー。」

誠くんは私の肩に顔を寄せた。

はあ...?すぐ気づいた?
1週間も経ったんですけど...。

「あ、恵美ちゃん♪降りよっか。」

「うん。」

誠くんはまた私の手をとって
ヒールに気遣ってくれているのか
ゆっくり歩いてくれている。

私は横から誠くんをじっと
見ていた。

高校からずっと優しい誠くん。
私がデートで遅刻しても
怒らないでくれる。
メールの返事だってし忘れて
寝ちゃっても怒らないでくれる。

そんな人...今までいないよ。
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