俺の姫様 Ⅱ
「それにしても、親友の俺に何の報告もしないなんて、ちょっと酷くないかな?月夜くん!…翔ちゃんかわいそーっ!」
「自分で“翔ちゃん”とか言うな!キモい!!」
「月夜くん、こぉわぁいぃ〜!」
「恐くない!キモい!ウザい!」
「月夜ちゃあーん!!」
「やめろ!!」
『あははっ!本当仲良いね。じゃあ、そのままごゆっくりー♪』
「「えっ!?」」
「ハモってんじゃねーよ!」
「はぁ?月夜がかぶせてきたんだろ!」
「ちげーよ!…あーもう!お前のせいで姫梨帰ったじゃねーかよ!ったく…。」
姫梨が出ていった途端にテンションが下がった月夜は、本当に姫梨のことが好きなんだな。「姫梨はもう大丈夫。俺も、もう大丈夫。」そう、思った。
これからは、姫梨とまた気兼ねなく話せそうだ。月夜とも、今まで以上に絆が深まったような気がする。
「幸せになれよー!!」
屋上から出ていく月夜の背中に手を振りながら叫んだあと、「まさかお前にもこの言葉を言うとはな。」と小さく呟いて、笑った。