俺の姫様 Ⅱ
「……姫梨?」
やっと来た!
あんまり待たせないでよね〜。
なんて、デートした時はお前の方が遅かっただろ!!的なことを思いながら振り返ると―……
『えっ!?』
そこにいたのは、月夜ではなかった。
『翔ちゃん!?どうして翔ちゃんがここにいるの?』
翔ちゃんの声を、月夜の声だと聞き間違えてしまうなんて、人間の思い込みって、すごいね…。
「月夜に屋上に来いって言われたんだけど…。」
『翔ちゃんも?私も、月夜に呼び出されたの。』
「あいつ、何考えてんだ?」
翔ちゃんと昔何があったのか、月夜には話したから、私が翔ちゃんにあまり会いたくないのは、わかってるはず。
なのに、こうやって会わせようとしたってことは……、
『「仲直り…?」』
翔ちゃんも同じことを考えてたみたい。
親友だから、わかったのかな?
親友だから、仲直りしてほしかったのかな?