俺の姫様 Ⅱ
『滝川さんってたしか…碧波(アオナミ)女学院じゃなかった?』
「なんでアイツがここにいんだよ?」
「それはわからない。さっき職員室から出た時に見かけてさ。気づいてないフリして逃げようとしたけど、むこうから挨拶してきた。」
「まじかよ…。」
『まさか、転校してくるとか!?』
「アイツ今3年だろ?普通今頃転校なんかするか?もう冬だぞ。」
「そうだけど、滝川紗菜ならありえるだろ…。」
『ど、どうする…?』
あまりに突然すぎて、どうすればいいのかわからない。
学園内に滝川がいるとなると、その場しのぎの言葉で回避することも、きっと難しくなる。
一体、何を考えているんだ?
滝川紗菜にだけは、転校なんてしてこないでほしい。
そう心から願う。