俺の姫様 Ⅱ



『滝川さんってたしか…碧波(アオナミ)女学院じゃなかった?』

「なんでアイツがここにいんだよ?」

「それはわからない。さっき職員室から出た時に見かけてさ。気づいてないフリして逃げようとしたけど、むこうから挨拶してきた。」

「まじかよ…。」

『まさか、転校してくるとか!?』

「アイツ今3年だろ?普通今頃転校なんかするか?もう冬だぞ。」

「そうだけど、滝川紗菜ならありえるだろ…。」

『ど、どうする…?』


あまりに突然すぎて、どうすればいいのかわからない。
学園内に滝川がいるとなると、その場しのぎの言葉で回避することも、きっと難しくなる。

一体、何を考えているんだ?


滝川紗菜にだけは、転校なんてしてこないでほしい。

そう心から願う。



< 30 / 33 >

この作品をシェア

pagetop