女たらしな我が主
「そりゃあ、葵は、キレイだ。

あれほどキレイな女人はなかなかいるものではない。

でも、こちらが望んだ結婚ではない」

わ。

また、最低発言。

でも、この時代、政略結婚というのか、自分の出世なんかのために、結婚をしっかりと利用していたのらしい。

あたしも、ここにきて何日も経つので、いろいろなことがわかってきた。

好きでいるわけじゃないけど、帰れないんだから仕方がない。

「身分の高い人と結婚したってこと?」

「葵は左大臣殿の娘だ」

「・・・なるほど」

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