リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・11
「ふぅ…」

映画を見た後、頭を冷やす意味もあって、近くの公園に来た。

そこは海から見える夜景が綺麗で、夕暮れ時になるとカップルが多い。

ボクとセンパイもそうだけど…でも他人の眼から見ると、違うように見えるだろうな。

「今日、疲れた? 何か途中から元気なかったけど」

同じベンチに座るセンパイが、心配そうにボクの頬を撫でる。

「あっ、と…」

どう答えようか迷っていると、ふと強い視線を感じる。

その方向を見ると、男女のカップルがボク達をマジマジと見ていた。

「だっ大丈夫です! なので移動しましょう!」

「えっ、おっおい!」

センパイの手を掴み、ボクは慌ててその場から離れる。

ひっ人の目が辛すぎる…。

別に何も悪いことはしていないのに…。

…いや、やっぱりボクの格好が問題だ。

「なあ、どうしたんだ? やっぱり変だぞ?」

「すっすみません…。…でもボクといると、センパイが変な眼で見られるのが耐えられなくて…」
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