リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・11
「変な眼?」

ようやく人気が少ない所まで来て、ボクは立ち止まった。

「あの、ボクがこういう…女の子っぽくない格好をしているから、センパイが…その……」

「…ああ、そういうことか」

センパイはようやく理解ができたように、頷いた。

「すみません…。今度から外で会う時はもっと女の子らしい服装をしてきます」

「別に無理して好きでもない格好をする必要はないんじゃないか? 俺は別にそのままでも良いと思うけど」

そう言ってセンパイは優しく微笑んでくれる。

そんなセンパイの優しさが、もっとボクをいたたまれなくさせる。

「…センパイは平気なんですか? 周囲の人から変な眼で見られること」

「う~ん。そうだなあ…」

センパイは腕を組み、眼を閉じてしばらく考え込む。

そして答えが出せた時、その表情には笑みが浮かんでいた。

「まあ女の子らしい格好も可愛いと思うけど、俺は普段の格好の方が見慣れているから」
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