リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・11
…センパイの答えを聞いて、ボクは全身から脱力した。

そうだった…。

センパイってちょっと天然だった。

「それにしても、そんなに人の目って気になるか?」

「センパイは全く気にしないみたいですね…」

「うん。俺、元からあんまり気にしないタイプだから」

…だからボクの告白も受け入れてくれたんだろうか?

思わず疑心にかられて、センパイをじっと見つめた。

するとセンパイの顔が不意に近付いてきて……唇が、重なった。

「…えっ?」

「えっ? キスしたかったんじゃないのか?」

間近にあるのは、センパイのきょとんとした顔。

ボクは突然のことに、呆然する。

「いきなり見つめてくるし、人気のない所に来たから、キスしてほしいのかなって思って」

センパイは首を傾げる。

ああ…どこまでも天然な人。

でもこういう人だから、ボクは惹かれたのかもしれない。

「…じゃあセンパイはずっとこういう男の子っぽい服装のままで、良いと言うんですね?」
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