子悪魔ライアス★下克上~Der Traum des Teufels~
「ライアス、まさか、アフストイを…?」

 コ ロ シ タ ノ カ ?

最後まで言われなくても、ライアスにはドリウスが聞きたいことがわかった。

「そうだ。」
どこでどうこじれて、アフストイを殺すことになってしまったのかわからない。

「こんな結末、俺は望んでいなかった。」
ライアスがつぶやく。
「こんなの、は、本当に…望んでなかったんだよ…。」
今はもう、ライアスに魔力を吸収されたアフストイに向かってか。
ドリウスに対して弁解しているのか。

ライアスの様子からは全く判別がつかなかった。

「何があったのか詳しく話すんだ。」
ドリウスに言われ、ライアスはとぎれとぎれに、事情を説明した。
「だって、俺には、わからなかったんだ。俺がいつか子供を残すのは多分ずっとずっと先の話だから。」
ドリウスは無言でライアスの頭を撫でた。

「なんて言えば、こうならずにすんだんだろうな。」
「それはわからんな。オレはアフストイじゃないから。」
ドリウスに即答される。

「アフストイが死に際に…俺が次代の嫉妬だって…言ってた。」
「そうだな。」
ドリウスが同意する。

ドリウスは、アフストイがライアスに片想いをしていることを知っていた。
恋愛…悪魔風に言えば色欲だろうか?の何たるかも知らないライアス相手に無謀だとは思っていたが、この結末は想定外だった。
ずっと片想いであるのならば、互いに殺し合ってどちらかの魔力を取り込むのも一種の独占欲の形かもしれない。
ドリウスは珍しく難しそうな顔でそんなことを考えた。

< 171 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop