子悪魔ライアス★下克上～Der Traum des Teufels～
ライアス -怠惰-

■王手に近いのは

ライアスが魔界の神となるまでもう一歩だった。

七罪の暴食を探さなければならない。

しかし、ドリウスはダークとの戦いでライアスが決して無傷ではなかったことと、口にこそ出さなかったがライアスの精神状態を考えてしばらく休養を取ることを進めた。

ライアスの体の前面は紫色の大きなアザができており、回復には時間がかかると思われた。

「温泉に行ったら早く治らないかしら?」
スノーがつぶやく。

「オンセン?」

ライアスとドリウスが聞き返す。

「詳しく話しても多分悪魔にはわからないから簡単に説明すると、傷にいいお風呂のことよ。」
スノーが答える。

「あなたたちの反応を見る限り、魔界には温泉はなさそうね。」
スノーが転移の魔法を使う。

発動まで時間がかかったが、目的の場所には着いたようだ。

「人間界…?」

蒼い空と白い雲。

淡い桃色の花が咲くその町は、地面の至るところから湯気が出ていた。
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