ニセコイ
大雅はお弁当をガタガタ片付けながら何でもないことのように話し始めた。


「お見合い相手と結婚したくないから」


ちょ!?お見合い?
このご時世に?年配ならまだわかるけど


高校生だよね?
でもだからって


「私じゃなくても。」


「俺に興味なさそうなやつさがしてたんだよ」


あ……そう。
形だけでいいからと言われた
でも私、よく考えたら付き合った人あんまりいない


形って
グルグルした頭が重い

「まぁ19で結婚はしたくないから、これからよろしくな?瑞穂ちゃん」


「嫌だっていったら?」

「メイドの写真ばらまくよ?」


嫌だなんて言えないこと知ってるくせに
この性悪男め
意地悪な顔で笑いやがって

「じゃあ、一つ条件がある」


「なんでしょうか」


なんでしょうかって何よ?私の目の前にあぐらをかいて座った大雅に言った


「いじめとか嫌がらせとか女のめんどくさいやっかみやらで私に攻撃がきたら守りなさいよ?」


「かしこまりましたお嬢様」

爽やかな笑顔でニコッと笑った
ヤバいだまされるところだった。
営業スマイルに


「じゃあ、帰る」


「は?1人で帰るの禁止」


いや帰るのくらい1人が良かったよ
手を繋がれて一緒に階段を降りる


注目のまと大雅は上機嫌に階段を降りる

私はというと可愛くない顔をもっと可愛くなくして不機嫌に降りた
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