“愛してる”のコトバ
「ゴメン…もう少しこのままでいさせて」






『う…うん』







アタシは何が起こったのかさっぱり分からなかった。
ただ暖かくて…祐樹が震えているのが分かった…








『祐樹…何があったの?
なんで震えてるの?』







「俺…さ、こっちの学校来る前に…」






『うん。』






それから祐樹は過去について話してくれた。
アタシは頭の中が真っ白になった。
そんな事、ドラマや小説の中での話だと思っていたから――。







「ゴメンな。幻滅したろ?
俺、柚依を弄んでるだけなのかもしれねぇ」





――ッ。
涙が溢れた。
1番辛いのは祐樹のはずなのに、アタシは泣いてしまった。


辛いわけじゃない。嫉妬してるわけでもない。
弄ばれているのかと悲しいわけでもない。
ただ、嬉しかった。
祐樹が過去の話をしてくれて、アタシを信用してくれているんだって嬉しかった。

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