“愛してる”のコトバ
…怜。
万遍の笑みを浮かべた怜の姿がそこにあった。
『柚依に何か用か?』
「アタシは柚依に用事があるの。
祐樹には関係ないでしょ?
…柚依、ちょっといいかな?体育館裏とか…」
柚依は困った顔をしていた。
助けてあげられない自分が情けない。
ここは止めるべきなのだろうけど…
「う…ん。いいよ。
じゃあ行こっか。祐樹、待っててね!」
柚依は俺に明るくそう行って怜と教室を出て行った。
俺は不安でいっぱいだった。
怜が柚依に何をするか分からない…
アイツの事だ。金で人を操って柚依に酷いことをするかもしれない…
ダッッ――
気づけば俺は教室を飛び出して、体育館裏に向かっていた。