約束の星
でもこの子…
クラスで見たことないぞ?
「…私、今日初めて学校に来たんです。受験が終わってからすぐ、少し体調を崩してしまって……」
俺が聞く前に、彼女は俺の今の最大の疑問に答えた。
「貴方のことは……その、お友達から…聞きました。……すみません。」
「いや、別に謝らなくても……」
誰が言ったのかは知らないが、俺って『面白い人』なのか─
「…あ、自己紹介が遅れましたね。私…西城 彩菜【サイジョウ アヤナ】と申します。以後、お見知り置きを。」
西城……
どっかで聞いたことあるような…大層な名前だな。
少し引っ掛かったが、俺はそれをスルーして、彼女が差し出してきた手を握った。
「こちらこそ…よろしくね?西城さん。」
「……!は、はい…」
俺がそう言うと、西城さんは何故かすごく驚いたような顔をした。
だけどそれは一瞬で、すぐに穏やかな笑顔に戻った。
彼女のその驚きの訳を悟ることは、この時の俺にはまだ出来なかった─