約束の星



あれから教室に現れた西城さんは、俺には居心地悪そうにしているように見えた。



さらに、クラスの誰も病欠していた西城さんに「大丈夫だった?」とも声をかけることはなく、当の西城さんは授業の合間の休み時間、何やら分厚い本を読んで1人で過ごしていた。



どうやら、昨日西城さんが言っていた『お友達』は、このクラスにはいないようだ。



「西城さん。」



で、今は昼休み。
場所は昨日のベンチ。



4限の授業が終わるやすぐに席を立って教室を出て行った西城さんを追いかけると、彼女はやはり1人でいた。



「……あ。」



我慢出来なくなった俺が声をかけると、西城さんは驚いた様子で俺を見た。



「隣、いい?」



そう聞くと、きごちなくだが頷いてくれたので、遠慮なく隣に座る。



「…よろしいんですか?」



さて…何を話そうかと考えていた時、不意に西城さんが消えそうな声で言った。



「え…?」



「私などと関わったりしては……貴方が学校の皆さんに非難されますよ?」






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