約束の星
そう言う西城さんは、俺にはとても寂しそうな顔をしているように見えた。
「…貴方ももうご存知かと思いますが、私は……」
「西城財閥の一人娘……だろ?」
西城さんの言葉を遮ってそう言うと、彼女はゆっくりと頷いた。
「でもさ、それが何なの?財閥の一人娘だからって、同級生と話したらいけないって決まりでもあんの?」
俺の言葉に驚く西城さんを見て、俺はさらに続けた。
「そんなの寂しいじゃんか。俺は別に関係ないと思うけどな。家が財閥だろうが何だろうが、西城さんは俺のクラスメイトだよ?だから…そんな理由で関わりを避けるなんて、したくない。」
「……っ、」
言いたいことを全て言って西城さんを見ると、彼女は驚きの表情から一変、今にも泣きそうな顔をしていた。
「あ…いや、その……別に、俺はただ……!」
「……嬉しい、です…」