約束の星



え……?



「そんなこと……っ、今まで一度も言ってもらったことなくて……」



「西城さん…」



「…物心ついた時から、私は周りの皆さんに特別視され続けてきました。『西城財閥の一人娘』この肩書きのせいで……それは今でも、私を『普通』から遠ざけています。」



『普通』…か。
西城さんのその言葉が重くのしかかってくる。



「私は…『普通の女の子』でいたいんです。皆さんのように休日にお友達と遊びに行ったり、一緒にお勉強したりしてみたい……でも、出来ないんです。」



なんだが芸能人のような悩みだな…と内心思いつつ、俺は西城さんの話を聞いていた。



「私はこう思っているのに、お父様もお母様も、学校の皆さんもわかって下さらない。それが…悲しくて仕方ないんです。」



クラスの奴らは西城さんに一目置いてると言っていたが、あれは避けてるのと同じだし、正直いじめに見えなくもない行為だ。



西城さんは…
ずっと、苦しんでたんだ─






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