約束の星
今の俺たちは、完全に『友達』とは言えない関係だ。
何とも微妙な関係だが、それは時が解決してくれるだろうと、俺は考えている。
クラスの奴らは、そんな俺たち……特に俺の方を、珍しいものでも見るような目で見てくる。
友達も、あまり近寄って来なくなった。
そのことに関しては彩菜ちゃんに何度も謝られたけど、俺は笑って許した。
いいんだ、別に。
わからない奴らが悪い。
彩菜ちゃんは何もしてないのに、勝手に偏見を持って避ける奴らの方が悪い。
……そうだろ?
「えー…?ここ、なんでこの値になんの?」
「どれですか?…あぁ、ここは式の前に−が付いているので……」
先週席替えをして、隣同士になった俺たち。
クラスメイトたちの奇異な視線を気に止めることなく、2人して数学の宿題に夢中になっていた。