約束の星

え…？
いきなり、呼び捨て？



「名字で呼ぶな。キモい。」



「……有加、ちゃん？」



さっきの言葉で色々傷付いたけど、とりあえずご希望に沿って呼んでみる。



「『ちゃん』も付けるな！これだから優男は……」



えぇ…？



「そんな……彩菜ちゃんだってそう呼んでるし…」



「…彩菜は特別だ。ま、言っても聞かないだけなんだがな。」



「あはは…」



苦笑いの彩菜ちゃんを無表情で見つめる美…有加に、俺はため息をつく。



その瞬間…
俺はいいことを思い付いた。



「じゃあ…交換条件。」



「…は？」



「俺のことも『水嶋』じゃなくて『朝人』って呼んでよ？そしたら俺も、ちゃんと呼ぶから。」



なかなかいい思い付きだと、心の中で自分を誉めていたら、鋭い目で睨み付けられた。



「…仕方ない。たまには妥協も肝心だからな……朝人。」



この人…
多分、いや絶対ツンデレだよね？



「そうだね……有加。」



こうして俺は今日、ツンデレＳＰと友達になった。