約束の星
謎の少年の秘力
その日の放課後。
場所はテニス部の部室。
「……おい。」
体操服に着替えて部室を出ようとしていた俺を、誰かが呼び止めた。
「なに……?」
彩菜ちゃんと関わり始めてから、俺はクラスの奴らに加えて部活の奴らにさえ無視されてきた。
それなのに……
今目の前にいるこいつは、有加には負けるが強い目で俺を見つめていた。
「水嶋 朝人……だな?俺は、新山 晴輝【ニイヤマ ハルキ】。」
突然自己紹介され、びっくりする俺にそいつ…新山は続ける。
「俺はお前に興味がある。今から…俺と、テニスで勝負しないか?」
「テニスで、勝負……?」
訳がわからない─
いきなり声をかけてきたと思ったら、テニスで勝負しようだなんて…
「断るなんて言わせない。俺は…お前に勝つ自信がある。」
「……っ!…わかった。その勝負、受けた。」
俺に勝負を持ちかけるなんて、よほどの自信家だな…
その自信…へし折ってやる。