約束の星
「………っ、」
結果─
俺はこいつ…新山に負けた。
「なんだ…1年で随一の有力選手だって聞いてたのに、その程度の実力かよ。」
ネットの向こうで、新山はつまらなさそうに言った。
「うわ…朝人を『その程度』だって……」
「まぁ、ストレート勝ちだったもんな……」
俺たちの試合を観戦していた他のテニス部員は、全員驚きの表情。
「……んだよ。」
「は…?」
「たった1回勝ったぐらいで……俺の実力全部知ったみたいに言いやがって!!いい気になるなよ!!」
悔しい……
その思いでいっぱいの俺は、新山に向かっておもいっきり叫んだ。
「フッ…想像以上だ。」
俺の叫びを聞いた新山は、表情を崩すことなくそう言って、俺に近付いてきた。
そして、地面に膝をつく俺に手を差し伸べた。
「…気に入った。お前、俺とダブルス組め。」
「なん、だと…?」
ダブルスを組む…?
俺と、こいつが…?