約束の星
「なんで…俺なんだ?」
部活が終わり、俺は新山を例のベンチに呼び出し、最大の疑問をぶつけた。
「…別に。俺はただ、お前の実力を買っただけだ。」
俺の実力……?
「何言って…さっきお前、俺に『その程度かよ』って言ったじゃねぇか。」
「あぁ、言ったな。でも…まだやれるって感じたから。気付かせてやりたかった。有力選手だって持て囃されて、実力の伸びが止まることを避けたかった。」
そうか…
俺、まだまだなのか─
今日新山と勝負して、話を聞いて、それがよくわかったよ。
「…ありがとう、新山。」
「……?」
「俺、調子乗ってた。まだまだだなー…頑張らなきゃ。」
俺がそう言って立ち上がると、新山はフッ…と鼻で笑った。