約束の星



今更思ったけど、新山…随分大人びてるよな─



同級生には見えない。



「そう言えば……」



「ん?」



新山の声を聞いて振り向いた俺が見たのは、奴の真剣な目だった。



「お前、あの西城と仲良いらしいな。みんな噂してる。」



あぁ……
やっぱりその話か。



「ふーん…どんな噂?」



きっと事実とは違うとんでもないものなんだろうと思いつつも、俺は新山に尋ねた。



「…水嶋は西城財閥の財産でも狙ってんじゃないか、とか。タダで西城と仲良くするなんて、そんなのおかしいってさ…」



ははっ…
バカバカしい。



「あり得ねーな。…お前もそれ、信じてんのか?」



「………いや。」



「新山……?」



「信じてない。今日お前と勝負して、話してさらに確信した。お前は、金や見返り目当てで何かする奴じゃねぇって……」






< 34 / 56 >

この作品をシェア

pagetop