約束の星
晴輝曰く、テニスをやる時はコンタクト、それ以外はメガネと使い分けをしているらしい。
…ちなみに、今コンタクトなのは気分だそうだ。
「それにお前、いつも本ばっか読んでてクラスでは誰とも喋んないだろ?友達といるのも見たことねぇ。」
頼んでもいないのに、有加はペラペラと晴輝の情報を喋る。
「……お前だって同じだろ。」
一方、本当のことをバラされた晴輝は、少しふてくされたような顔をしてそう言った。
そんな晴輝に同情すること大だった俺は、うんうんと頷きながら慰めるつもりで晴輝の肩を数回軽く叩いた。
「んー…まぁな。俺はどこ行っても一匹狼だし。」
一匹狼……
その言葉、有加にすごく似合うと感じてしまう俺は失礼だろうか?
「有加ちゃん……ごめんなさい。それは、私のせい……ですよね?」
「…彩菜、謝るな。お前のせいなんかじゃない。」
有加の『一匹狼』という言葉を聞いていた彩菜ちゃんは、悲しげに目を伏せてそう言った。
でも有加は、そんな彩菜ちゃんの言葉をすぐに否定して笑ってみせた。