水平線の蒼い空
静香は、その日、朝から校長先生に呼ばれていた。

通称『喫茶・マリ』の中に入ると、校長先生は、もう珈琲を用意して待っていた。


「藤堂先生、この学校にいらして、半年が過ぎましたけど、少しは、慣れましたか?」


「いぇ、まだまだ、戸惑うことの方が多いです」


「半年前に、私が出した宿題のことは、覚えてらっしゃいますか?」


「はい………でも正直、未だに何が問題なのかすら、わかってないんです。すみません、まして、答えなんて全然わからないです」


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