片恋
『なぁ。それ、とってくれねぇ?』

突然声を掛けられて振り向くとそこにそいつがいて。

『シャーペン落ちちゃってさ。』

指さす方向を見ると、あたしの椅子の下に落ちているシャーペンがあった。

内心めんどくさいと思いながら拾って手渡すと、

『さんきゅ』

そう、笑顔を向けてきて。


その笑顔に、

囚われた。
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