最愛のあなたに
そう言うと、和明さんは某高級ホテルの一室を出ていった。
「どう、菜々美?和明さんは素敵でしょう?」
「う、うん。それでお母さん、和明さんは土曜日に何しに来るの?」
「あら!聞いてなかったの?市役所に籍を入れに行きましょうっておっしゃってたのよ。もう!そんなんでこれから大丈夫なの?」
「…………は?」
(籍を入れる、だって…?)
「はぁ?ちょっと、何それ!今日初めて会って、もう籍を入れるの?いくらなんでも…」
「グズグズ言わないの!もう決まったことなんだから。それに結婚してから芽生える愛だってあるわよ」
(そんな無茶な!!)
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