悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
玲士の言葉に灯里は目を見開いた。
玲士はいつもの透明感のある瞳で灯里を見つめている。
これまでに見たことのない、見守るような大人びた瞳に灯里は魅入られるように玲士を見た。
「あまり思い出してばかりだと嫉妬するけどね。でもおれはこれから、お前との想い出をどんどん作っていくから」
「玲士……」
「お前があいつのことを思い出す暇もないくらいにね。覚悟してて、灯里?」
玲士は再び優しいキスを落とす。
灯里は胸の奥が温かくなるのを感じた。
――――きっとこれも、想い出になっていくのだろう。
玲士は灯里の頭をそっと撫で、優しい声で続ける。
「これまでお前を護ってきたのはあいつかもしれない。でもこれからお前を護っていくのはおれだから。お前の心も体も、おれの全てでお前を護っていくよ」
「……っ」
「今はその準備期間だ。だからもうちょっと待ってて、灯里?」
玲士の言葉が灯里の心にまっすぐ入ってくる。
灯里は胸を打たれ、玲士を見上げた。
玲士の大人びた瞳が灯里の心を優しく包み込む。
灯里は頷き、玲士の指にそっと自分の指を絡めた……。