悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~




灯里が寂しい思いをしているのは玲士もわかっている。

だからこそ少しでも早く落ち着いて灯里と次のステップに行きたい。

――――そして灯里の気持ち。

玲士が灯里を愛する気持ちと同じぐらい、自分を好きになってほしい。

灯里の気持ちは少しづつ玲士に向いてきている。

けれどまだ二人の愛情には相当の温度差がある。


玲士は一息ついた後、灯里にもらった小箱を鞄から取り出した。

一つ抓んで口に入れると……。


「……甘っ!」


玲士は思わず声に出してしまった。

これはチョコレートというより砂糖の塊に近い。

恐らく砂糖の分量を間違えたのだろう。

玲士は唖然とチョコレートを見つめた後、口元に愉しげな笑みを浮かべた。


もし将来一緒に住むようになったら、食事担当は間違いなく玲士だ。

灯里の胃袋を掴んで自分から離れられないようにするのもいいかもしれない。

――――普通は男女逆だが。


窓の外に見慣れた懐かしい景色が流れていく。

玲士は口の中で砂糖のようなチョコレートを溶かしながら、流れていく景色を眺めていた……。


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