悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
2.遠恋の苦しみ
翌朝。
目覚ましのベルの音に灯里はゆっくりと目を開けた。
カーテンの隙間から入ってくる朝日が目に眩しい。
結局昨日、12時半まで待ってみたが玲士からの電話はなかった。
枕元に置いた携帯を開くと、玲士からのメールが入っていた。
『ごめん。仕事が長引いて電話できなかった。今日の夜、電話するから』
灯里は食い入るようにメールを見つめた後、パタンと携帯を閉じた。
仕事だから仕方がないと思いつつも、黒いものが胸に広がっていく。
焦りなのか、不安なのか……。
「玲士……」
玲士は忙しい中でも自分にわざわざメールをくれた。
それだけで嬉しいのに……。
灯里はぼすっと枕に顔を埋めた。
遠恋の辛さを、灯里は心から実感した……。