悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
ハハと苦笑いする灯里に、山岡課長は続ける。
「まぁあいつは、ずっと君しか見てなかったからね~」
「……え?」
「ぼくは君の直属の上司だからね。あいつが近くを通るたびに、何か視線を感じるなーとは思ってたんだよ」
「そうだったんですか……」
「あいつは有能だし将来性もある。ちょっと性格はアレだけど、君を幸せにしてくれるんじゃないかな?」
――――性格がアレなことが一番問題だと思うんですが。
と灯里は内心で思いながらも軽く頷いた。
玲士との再会は、今となれば、やはり運命だったのかもしれないと灯里も思う。
今はもう、玲士がいない人生など考えられない……。
そう思っているのが自分だけでなければいいけど、と灯里は心から思った……。