悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「……っ!」
灯里は一番近いドアから新幹線の中に飛び込んだ。
と同時に音楽が鳴り終え、シューっという音と共にドアが閉まる。
「はぁっ、はぁっ……」
灯里は閉じたドアにトンと寄りかかり、肩で大きく息をした。
――――間一髪だった。
灯里は息を軽く整えたところで辺りを見回した。
入口のドアの上に貼られたプレートを見ると、今いるのは13号車らしい。
思わず飛び乗ってしまったが、この新幹線に玲士が乗っているかどうかは定かではない。
もし乗っていたとしても何号車にいるのかわからない。
こうなったらしらみつぶしに探すしかない。
灯里は少し息を整えた後、再び駆け出した……。