悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
<side.玲士>
金曜の18:00。
玲士は長谷部とともに成田空港の中を歩いていた。
エレミーツ航空の到着は第二ターミナルで、飛行機から降りたらすぐに入国審査がある。
玲士は入国審査を済ませた後、ビジネスバッグから携帯を取り出して電源を入れた。
「……」
灯里からのメールは4通。
今回は急な出張だったため灯里に事前に連絡することができなかった。
灯里は怒っているだろうか?
とメールを確認していると、隣で長谷部が探るような視線を向けてきた。
「彼女からメール?」
「ええ、そうです」
玲士の言葉に長谷部はふふんと笑った。
手荷物が出てくるまで少し時間がある。
その間にメールを打とうと思ったのだが長谷部の視線がなんだか気になる。
「……なんですか?」
「いや。お前みたいなヤツの彼女ってどんな子なのか気になってね」