悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
5.諍い
その日の昼。
灯里は有休をとり、手荷物をまとめて新幹線に乗った。
――――こうなったらもう、自分で確かめるしかない。
玲士はいないかもしれないが、それなら来るまで待つだけのことだ。
どんな結果でもいい、今はただ真実を知りたい。
夕刻。
東京についた灯里はその足でまっすぐ玲士のマンションへと向かった。
玲士のマンションに来るのは4か月ぶりだ。
あの時はクリスマスだったので街路樹の葉も散っていたが、今は街路に植えられた花々が夕陽に鮮やかに輝いている。
あれからもう4か月も経ったんだ、と灯里はしみじみ思いながらマンションへと歩いて行った。
玄関に入り、インターホンを鳴らしてみたが案の定玲士は不在だった。
それなら玲士の部屋の前で待とうかと思ったが、今のマンションは防犯上、キーがないと玄関から中に入れない造りになっている。
となると、玄関の前で待つしかない。