悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~



灯里は玄関の横にあった花壇に腰かけた。

玲士はいつ戻ってくるかわからないが、とにかく会えるまでここにいよう。

灯里はそう決め、ひたすら待ち続けた。



――――そして、4時間後。

うつらうつらしていた灯里の前に、玲士が姿を現した。

二週間ぶりの玲士の姿に、灯里の視線が自然と吸い寄せられる。


「あ、玲士……」


と呟いた灯里に、玲士はすたすたと歩み寄りガシッと腕を掴んだ。

その綺麗な瞳は信じられないといったように見開かれている。


思わず見上げた灯里に、玲士は言った。


「……なんでお前、ここにいるの?」

「なんでって……」

「来るなって言ったよね?」


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