悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
灯里の言葉に、玲士の瞳がこれまでにない怒りの色に染まる。
けれど一度言い出した言葉は、感情は、止められない。
灯里は玲士を睨み据えたまま、固い声で言った。
「玲士にとってあたしって何?」
「……っ」
「気が向いた時にからかう、オモチャか何かなの?」
言いながら灯里は自分の心に痛みが走るのを感じた。
――――本当はこんなことを言いたいんじゃない。
玲士がそんな風に自分を見ていないことはわかっているし、大切にしてくれていることもわかっている。
けれど怒りに染まった心はどんどん暴走し、止められない。
灯里は蒼白になった玲士の顔を見上げ、突きつけるように言った。
「玲士はあたしの気持ちなんてなんにもわかってない」
「……」
「……帰る」
灯里は立ち上がり踵を返そうとした。
その瞬間、玲士の腕が後ろから灯里の腕をがしっと掴む。
思わず振り仰いだ灯里の目に映ったのは……。
――――押さえられない怒りと切なさに染まった、玲士の燃えるような瞳。