悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
玲士の言う通り、灯里は疲労のあまり身動き一つとることもできない。
灯里が気を失った後、玲士はたまに灯里をシャワールームに運んでくれる。
灯里が気が付いたときには汗が流されさっぱりしている。
……といってもすぐに汗をかくことになるのだが。
「さぁ少し眠って、灯里」
「……」
「そう。いい子だ」
玲士のウッドノートの香りが優しく灯里を包み込む。
―――― 一体なぜこんな状況になっているのか?
このままではまずいと心の奥底で声がする。
しかし疲労した体は睡魔にあっさりと意識を明け渡してしまう。
「……ごめんね、灯里……」
眠りに落ちる瞬間、灯里は玲士の呟きを聞いた気がした……。