悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
灯里は玲士の首の裏にそっと手を回し、引き寄せた。
玲士の唇に唇を寄せ、そっと口づける。
目を見開いた玲士に、灯里は真剣な声で告げた。
「あたしも、玲士が好きだよ」
「……灯里……」
「あたしももう、離れられない。だから一緒にいよう?」
灯里の言葉に玲士は一瞬目を細めた後、灯里を抱き寄せて息も止まらんばかりに抱きしめた。
その肩が、胸が、腕が……震えている。
――――あの日の出会いから辿り着いた、二人の運命。
灯里は玲士の背に腕を回し、至近距離から玲士の顔を見上げた。
玲士の美しい透明感のある瞳が微かに潤んでいる。
朝の湖の湖面が風に波立ち、さざめくように……。
玲士の全てに、魂も心も、灯里の何もかもが吸い込まれていく。
灯里はそのさらっとした黒髪に指を滑らせ、玲士の腕に身を任せた……。