悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「あぁ、お前の携帯からメール入れといた」
「えぇっ!?」
何勝手なことしてんの!?と怒りかけた灯里だったが、無断外泊よりは遥かにいい。
これ以上玲士に対する印象を悪化させたくはない。
肩を落とした灯里に玲士は目を眇めて言う。
「お前、携帯のロックかけてないでしょ? 落としたりしたらどうすんの、それ?」
玲士の言うことは一理ある。
慌てて携帯を取り上げた灯里の前で、玲士はうっすらと笑った。
「それに前にも言ったと思うけど、おれ、独占欲強いから」
「……っ」
「かけておいた方がいいと思うよ? お前のプライバシーのためにもね?」
灯里はさーっと青ざめ、手早くロックを掛けた。
――――危険だ。
玲士はテーブルに片肘をつき、灯里を楽しげに見つめている。
その視線に灯里は内心ではぁとため息をついた。
なんだか今回も悪魔に振り回されてしまった気がする。
この先も多分一生、自分は振り回され続けるのだろう。
この美しい悪魔に……。