悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
灯里の言葉に玲士は目を細め、嬉しそうに笑う。
花開くようなその微笑みに、灯里の胸に喜びが広がっていく。
やがて衣擦れの音と共に、二人の唇がゆっくりと重なった。
――――甘い口づけ。
きっと自分たちは、幸せになる。
灯里は潤んだ瞳でじっと玲士を見つめた。
悪魔だけれど、灯里を心から愛する優しくて強い人。
灯里の運命の人。
10年前の偶然の出会いはいつしか運命に変わり、二人で新しい道を歩き出す。
二人の右手に嵌まった銀の指輪がランプシェードの柔らかい光に優しく輝く。
灯里は玲士の胸の中でそっと目を閉じた……。
[悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~ 完 ]