悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「でもさ……なんで、そんなとこに行くわけ?」
『今回の会社は市場を経営してる会社だからね。備品の管理の仕方とか、減価償却の方法が正しいかとか。現場を見ないとわからないこともあるんだよ』
なるほど……。
と頷いた灯里に、玲士は電話越しに少し笑った。
『あぁ、そうだ。14日に宅配便が届くと思うから。受け取ってね?』
「へ?」
『バレンタインデーのお返し。本当は会って渡したかったけど、出張が入ったから宅配にした。日持ちするものだから大丈夫だとは思うけど』
そういえば、14日はホワイトデーだ。
まさか玲士が覚えていたとは思わなかった。
灯里は驚き、思わず声を上げた。