悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~



そして4日後。

届いた箱の中に入っていたのは……。


「わぁ……」


美味しそうなクッキーの詰め合わせと、小さな小箱だった。

小箱の中にはエメラルドとダイヤがライン状に並んだシルバーのネックレスが入っていた。

長さ3cmほどのペンダントトップが繊細で上品な光を放っている。


ふと見ると、箱の底に小さな紙が挟まれている。

甘いウッドノートの香りが漂うそれを開くと、玲士の綺麗な字が現れた。


『お前の指輪に合いそうなものを選んでみた』


相変わらずの事務的な内容だが、玲士らしい。

灯里はペンダントを手に取り、自分の首にかけてみた。

一瞬ひんやりとした金属の感触が肌に伝わった後、すぐに肌になじんで灯里の胸元で美しく輝いた。


「……ありがと、玲士……」


胸がじわりと熱くなる。

灯里はペンダントを手に取り、睫毛を伏せてそっと口づけた……。




[Mini Story ~ホワイトデー 完]

< 166 / 174 >

この作品をシェア

pagetop