悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「……いた……」
涙を滲ませて肩を上下させる灯里を、玲士は目を見開いたまま信じられないといった表情で見つめる。
玲士は一歩、また一歩と灯里に歩み寄り、震える手を伸ばす。
まるで幻に触れるかのように……。
「灯里、なの? 本当に?」
玲士の指先が灯里の腕に触れる。
大きく見開かれた瞳が、まっすぐに灯里を見つめる。
「本当に、お前……なの?」
「水澤くん……」
「お前……なんで……」
玲士の瞳に切なげな光がよぎる。
玲士の両手が灯里の肩を掴み、確かめるようにぐっと力をこめる。
そして……。
「灯里っ……!!」
玲士の腕が物凄い力で灯里をぐいと引き寄せた。
そのまま息も止まらんばかりに抱きしめられる。