悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
挨拶が終わった後。
灯里の家を出た二人は再び駅の方へと向かっていた。
「はーっ……」
灯里は脱力し切った顔で隣を歩く玲士を見上げた。
玲士は既にいつもの表情に戻っている。
が、その横顔はどこかほっとした感じだ。
「これで第一関門はクリアだね」
「……そ、そうね」
初対面でこれではなんだか先が思いやられる。
挨拶しに行ったというより洗脳しに行った感じだ。
玲士を見た時の両親の顔を思い出すと、何とも言えない気持ちになる。
「じゃあ次は、お前の番だね」
「……へっ?」
「そりゃそうでしょ。再来週あたりかな? また日程調整したら教えるよ」