悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「……お前のおかげだよ」
「え?」
「お前がいたから、もう一度やり直そうって思えたんだよ」
「……?」
「人生の再構築とでもいうのかな。おれ自身の力でどこまでできるか試してみたくなった。おれ自身と……お前との、未来のために」
玲士の言葉に灯里は目を見開いた。
玲士は灯里の瞳をじっと見つめ、微笑する。
朝の湖を映したかのような透明感のある瞳に強い光が満ちていく。
玲士は灯里の頬に手を伸ばし、愛おしげにそっと触れた。
「おれを変えたのはお前だよ、灯里」
「……」
「今にわかるから。もう少し待ってて?」
玲士は真剣な顔で言う。
今までにない力強い表情に灯里は目を奪われた。
いつものどこか飄々とした、厭世的な雰囲気はどこにもない。
――――玲士は本気だ。
なぜか、これまでにない勢いで胸が高鳴る。
灯里は動揺を隠すように慌てて口を開いた。