悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
駅近で最上階で角部屋でこの眺望となると、家賃も相当かかるに違いない。
と灯里は思ったが口には出さずにおいた。
きっと悪魔のことだ、こっそり錬金術でもやっているに違いない。
と、部屋の中を振り返ったとき。
「お邪魔しまーす、引っ越し屋です~」
玄関の方から声がし、作業着を着た男性が二人顔を出した。
どうやらこれから家財の搬入作業をするらしい。
「こちらのお部屋でよろしいですね?」
「はい」
「冷蔵庫や洗濯機などの配置はいかが致しますか?」
「冷蔵庫はあの隅に、洗濯機は……」
玲士は手早く指示を出す。
灯里は部屋の中をうろうろしていたが、その腕をがしっと玲士に掴まれた。
「灯里、仕事だよ」
「?」
「お前は本棚に本を詰めて。あっちの部屋ね」