悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
どうやら2つある部屋のうち片方は書斎にするらしい。
頷いた灯里の目の前で、作業員達が次々と段ボールを奥の部屋へと運んでいく。
およそ段ボールにして20個分。
この全てが本となると、相当な数だ。
「……」
灯里はしばし唖然と段ボールを眺めた後、コートを脱いで作業を始めた。
手近な段ボールを開け、本を取り出す。
中に入っていたのは会計の本や百科事典など、見るからに堅そうな本のオンパレードだった。
これは頭も良くなるはずだ。
「……っ、重っ……」
灯里は段ボールを開け、本を取り、棚に並べ……という作業をひたすら繰り返した。
単純だがかなりの重労働だ。