悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
灯里は玲士に渡された着替えとタオルを手に脱衣所に入った。
鍵をかけて服を脱ぐと、ひんやりとした空気が灯里の全身を包み込む。
浴室の隅には見たことのない銘柄のシャンプーとリンス、石鹸が並んで置かれている。
どれも外国の銘柄らしく、とてもいい香りだ。
家主が使うより先に風呂に入るのはどうかとも思うが、もう時間が時間だ。
早くしないと帰れなくなってしまう。
灯里は手早くシャワーを浴び、タオルで体を拭いて玲士に渡された服に着替えた。
とても肌触りの良いオーガニックコットンのシャツとズボンで、仄かにウッドノートの優しい香りがする。
着心地はとても良いのだが、少々大きすぎるため足と袖口を捲り上げた。
「……こんなもんかな?」
灯里は棚に置いてあったドライヤーで髪を乾かし、洗面所を出た。
見ると、リビングのソファーの前のテーブルにコーヒーカップが置かれている。
「出た? 灯里」
「……あ、うん」
「服は?」
「洗濯機の中」
「わかった。乾燥が終わるまでそこで休んでて?」