悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
玲士は言い、タオルを手に洗面所へと入っていく。
灯里は玲士に言われた通り、ソファーに座ってコーヒーカップを手にした。
コーヒーの香ばしい香りが鼻をくすぐる。
――――なんだかカフェにでもいるみたいだ。
灯里はコーヒーを飲みながら部屋の中を見渡した。
茶褐色のウォールナットを基調にした家具類はどれもシックで、ソファーも固すぎず柔らかすぎず、ちょうど良い。
同い年の部屋とはとても思えない。
灯里は部屋を見回していたが、その瞼が次第に重くなってくる。
新幹線で走ったり、引っ越しを手伝ったりと今日はかなり動いた気がする……。
――――こんなところで寝たら悪魔に何をされるかわからない。
と危機感はあるのだが睡魔は止められない。
やがて、灯里の意識は闇へと落ちていった……。