悪魔のようなアナタ ～with.Reiji～

「はー……。とにかく。そろそろ行くわ」


灯里は肩を竦め、踵を返した。

すたすたと玄関の方へと歩いていく。

と、その時。


ブルルッという音とともに灯里の携帯が鳴った。

どうやらメールのようだ。

鞄から慌てて携帯を取り出し、確認すると……。


『明日、12:00にプライムタワーの前で待ってる』


晃人だ。

そういえば悪魔のことに気を取られて返事をしてなかった。

まずい、と青ざめた灯里の背に玲士の氷のような声が掛かる。



「――――なに? そのメール」



怒りを含んだ絶対零度の声に、灯里は思わず背筋を強張らせた。

どうやら後ろから覗いていたらしい。

恐る恐る振り返ろうとした、その時。


「……っ、水澤くんっ……!」